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【ライトノベル】吾輩は猫になっちゃった(仮 第13話

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<<第13話>>


 翌朝、やはりママに起こされる。

「坊や起きて。」

「ん…。うん…。」

眠くて全然瞼が開かない。瞼が開かないどころか体も思うように動かない。

人間の時も寝坊助だったけども、子猫になった僕にとって朝起きるということは本当に苦手なことになっていた。

ママはそんな僕を見越してか、寝ぼけた僕を咥えて、キャットスルーへと向かう。

キャットスルーの手前で降ろされると

「さぁ、ごはんよ。起きなさい。」

と僕の顔を舐めてくる。それがものすごく心地よいのだが、勝手口の土間の冷たさもあって、急に目がシャッキリしてくる。

「行きましょう。」

ママがキャットスルーを潜り抜ける。

「待ってよ、ママ。」

僕も後に続く。

 

朝早いのだろうか。外はやはり寒いのだが、快晴で日光が雪に反射して眩しいくらいだ。小鳥たちが太陽を祝福するかのように鳴いている。

僕たちは昨晩と同じコースで足湯へと向かった。

すでに綾さんが足湯の付近でごはんの支度をしているのが見える。

「サクラちゃーん。」

用意が出来たのか綾さんが呼ぶと、ママも答える。

「おはようございまーす。」

僕たちは小走りで足湯へと向かった。

 

綾さんは足湯のベンチに僕たちのごはんや水を据えると僕たちを迎えてくれた。

「綾さんおはよう!」

ベンチによじ登ると

「おはよう。サクラちゃん、赤ちゃん。赤ちゃんのごはんはこっちね。」

と言って、ごはんの器を二つ差し出す。ママとは別に今日は僕専用の器があった。

「ありがとう。綾さん。」

僕とママは

「いただきます。」

と言ってから並んでごはんを食べることにした。
 

ママの、「これはお肉で、これはニンジンですよ!」という見た目丸わかりの少しゴツゴツとしたごはんに比べ、僕のごはんは離乳食だからなのか、ミキサーにかけた感じのドロッとしたごはんだ。まるでまだ焼けてない生のもんじゃ焼きみたいな感じ。全体的に茶色いのだが、ところどころに緑色やオレンジ色のものがある。

恐らくお肉やニンジンや緑黄色野菜などをミキサーにかけているのだろう。僕はニンジンが嫌いだったのだが、とりあえずペロっとひとくち食べてみると、思いのほかおいしい!北海道のニンジンは抜群にうまいのかもしれない。僕は生もんじゃを不器用な舌でペロペロと食べていった。ママはとなりで

「綾さんの作るごはんは本当においしいわ。」

と言いながら、時折目をつむりながら本当においしそうに食べている。

綾さんは足湯に浸かりながらトートバッグから水筒を取り出し、湯気の出る甘い香りのする飲み物を飲み、菓子パンのようなものとバナナを頬張りながら僕たちをあの笑顔で見守っていた。

 

とても幸せであったいかい時間だった。

家族団らん。と言うのだろうか。みんなで一緒に笑顔で楽しく取る食事。とても久しぶりな気がする。

人間のとき、最後に家族で団らんしたのはいつだろうか。

そんなことを考えて、しばらくごはんを食べるのも忘れて僕はボケ―っと口を開けてママと綾さんの顔を見ていた。

「赤ちゃんのお口には合わなかったかな?」

と綾さんが言う。ママも

「坊や、このごはんキライ?」

と聞いてくるので

「いや、すんごくおいしいよ!これ!」

と我に返ってごはんをガッツガツ食べた。

とても素朴で、とても原始的だけれども、こんなところに幸せってあるんだな。などと思っていると、何故だか涙がこみ上げてきたが、僕はそれを振り切って忘れるように夢中でごはんを食べた。

 

気が付くと、僕は「これ以上舐めるところありませんよ!」というくらいに器をペロペロと舐めてキレイにしていた。子供の頃、よくお皿を舐めると「お行儀が悪いわよ!」と母ちゃんに怒られたものだが、僕的にはそれは「汁一滴までおいしいです!」の現れでもあった。犬や猫にはこれが許されるのだから、なんだか嬉しいような。

「赤ちゃんには足りなかったかしら。」

綾さんが言うので

「うん。もっと食べたいな。超おいしかったよ。ごちそうさまでした。」

と頭を下げてお礼をすると、綾さんに突然抱き上げられた。
 

また鼻キスをされるのかと思ってドキドキしていると、綾さんは僕を膝の上に仰向けにして載せて僕の股間をおもむろに左手でガバッ!と開いた。

「え?綾さん!な、何すんの…。」

ママに助けを求めようと、ママの方をチラッと見るも、ママはお水を飲んでこちらに背中を向けている。ほぼ無抵抗な僕はされるが儘だ。

「男の子ね!」

と言って綾さんはウンウンと頷きながら納得した顔をしている。股間を見られた恥ずかしさで僕が赤面していると綾さんはそれを知ってか知らぬか

「名前考えなきゃね。」

と言って僕を開放した。


ママは食事を終えて、お水を飲んでからこちらに近寄ってきて、綾さんの膝の上に乗った。

僕は綾さんの左膝、右の膝にはママ。

綾さんは両手でそれぞれ僕たちの頭から背中をやさしく撫でながら思案している。

やがて

「そうね…。」

と言ってから、綾さんは一度天を仰ぎ、その後飲みかけの水筒のコップを見てから言った。

「ココアってどう?可愛くない?」

ママに向かって尋ねる。

「いいですね!ココア。」

ママが答えると

「決まり!君は今日からココアだ!」

と言って僕を再び抱き上げて、いきなり鼻キスをした。

 

命名「ココア」

 

こうして僕は創太改めココアとしてしばらくの間、生きて行くことになる。



次話⇒<第14話



※本作品は小説投稿サイト「小説家になろう」に同時投稿しています。
http://ncode.syosetu.com/n2762de/

吾輩は猫タイトル画像
 

【猫絵】ランちゃんを描いてみた!その2(水彩画)

Twitterの大親友、ランとシマ(@ayaran0608)さんの飼い猫
ランちゃんが4月1日に17歳のお誕生日でしたので、お祝いに描いてみました!

ランちゃん2

今回は、いつものスケッチブックではなく、少し大きめの水彩用紙に描いてみました。

ちなみに前作はこちら↓
ranchan3

小さいスケッチブックに小さく描いたので、結構粗いですねー。

この絵のときより上達しましたかね!


メイキングはこちら↓

まずはデッサン。
DSC_0287

輪郭は少し濃いめに。模様なども薄ーく描いています。


そして今作から登場のマスキングインク!!
DSC_0260
 
このインクを塗ることによって、色を塗りたくない部分をマスキングできます!!

こんな便利なものもっと早く知ってれば。。。

このインクを使って、ランちゃんをマスキング。

DSC_0289

 そして、背景をたっぷりの水で塗って行きます。

DSC_0291
 
今まではマスキングしていなかったので、あまり多めの水で描けなかったのですが、今回は結構大胆に塗れました。

そしてマスキングインクをはがすと。。。

DSC_0292

綺麗に輪郭を残して背景が塗れました!

ここからはランちゃんを描いていきます。

まずは薄い色から。

DSC_0293
 
だんだんと濃くしていきます。

DSC_0294
 
おおまかな色を塗ったら、細い筆で目や毛並を描いていきます。

DSC_0296
 
ある程度、顔が描けてくるとものすごく立体感出ますね♪

体もこの調子で描き進みます。

DSC_0298
 
毛並感や色合い、輪郭などを調整し、

最後にハイライト、ブラックを入れて完成♪

ランちゃん2
 
今までの絵は小さなスケッチブックに描いていたのですが、今回は少し大きめの水彩用紙に初挑戦。
マスキングインクも使いましたし、新しい技法も使ってみました。 
そんなことなどもあって、いつも2,3日で描き上げるところが、結構時間かかって、お誕生日に間に合わないという。。。(;・∀・)


 <飼主さん紹介>
ランとシマさん @ayaran0608
飼い猫ランちゃんはもちろん、先代猫のシマちゃんや保護猫ちゃんたちのツイートも。
姉妹でハンドクラフトをやっていて、とにかくセンスと技術がすごいのでお二人は僕のハンドクラフトの師匠でもあります。
姉妹で保護猫活動をされていて、保護した猫ちゃんたちの里親探しの譲渡会などもされています。
(保護猫活動資金捻出のためにハンドクラフト作品を譲渡会などで安価にバザーで販売されていますがこれは必見です!!)
猫を飼いたい方は是非チェックしてみてください♪

【ライトノベル】吾輩は猫になっちゃった(仮 第12話

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第11話



<<第12話>>


 ママと押入れの中で寝ていると、ママがビクッと体を動かしたので、それで起きた。

ママが上体を起こして耳をピクピクさせている。

僕にはまだ聞こえなかったのだが、ママには何かが聞こえているようだ。

「なに?」

「来たみたい。」

「誰が?」

「ごはんをくれる人。行きましょう。」

ママは僕を咥えると、暗い押入れから飛び降り、キャットスルーへと向かった。

キャットスルーは僕を咥えたままでは通れないので、手前で降ろしてもらい、1人ずつキャットスルーをくぐった。

 

夜の外は昼間よりもぐっと寒かった。

緑雲荘はホテルの立ち並ぶ温泉街からは少し離れた場所にあるので街灯など無いのだが、月が雪を照らしているからなのかそれとも夜行性の猫の目が思いのほかよく見えるのか、外は明るく感じる。

「坊や、寒いけどちょっと我慢してね。」

「うん。」

昼間は旅館の裏手から回ったのだが、今度は直接足湯の方へと向かう。

足湯から道路を挟んで向かい側にある駐車場に1台の自動車がエンジンをかけたまま留まっているのが見える。車のライトで足湯の方を照らしている。

ママは軒下で一旦立ち止まると、こちらを振り返り

「大丈夫よ、怖くないから。」

と言って再び足湯の方へと歩いていく。僕は緊張しながらママの後ろについて行った。

車からは1人の人影が降りてくるのが見えたが、車のライトがちょうど逆光になり、眩しくてどんな人なのかはわからなかった。

そしてその人影が後部座席のドアを開けて、バッグのようなものを取り出すと、足湯に向かって歩いてくるのがわかる。

「サクラちゃーん。」

女の人のようだ。

「こんばんはー。」

ママが答える。僕にはママの言葉は人間の話す言葉のように聞こえるが、きっと人間には「ニャーン。」としか聞こえていないはずだ。


暖かい足湯のベンチによじ登って、声の主の方を見ていると、だんだんとその姿が見えてきた。

白いダウンジャケットを着た女性がトートバッグを肩にかけてこちらに歩いてくる。僕の存在に気づいてか、途中から小走りになった。

「あれ?サクラちゃん。この子は…。」

「はい。私が産んだ子です。」

ママはこちらをちらりと見て、それから女性の方を見て、僕を紹介した。やはり「ニャーン。ニャンニャンニャーン。」くらいにしか聞こえていないだろう。

僕も一応女性に軽くあいさつした。

「ど、どうも。はじめまして。ママがお世話になっております。」

軽く会釈すると女性は僕を抱き上げて

「可愛いわねぇ!こんな子がいたなんて。もっと早く紹介してよサクラちゃん。可愛すぎて食べちゃいたい!」

と言って僕を顔に近づけていく。
 

子猫の僕にとって、人間は超巨大生物だったし、口を開けば僕の頭など一口だ。

「うおぉぉ!!食べないで!食べないで!」

焦って手足を動かそうとしたが、脇を固められて動けない。するとその女性は僕の鼻と自分の鼻をくっつけて

「よろしくね。」

と言ってから僕を足湯のベンチに降ろした。

「まぁ、猫を生で食べないよね。そうだよね。」

と納得しながらも、食べられなかった安堵と、なんかキスされたような恥ずかしさで、挙動不審にあたふたしていると、女性はトートバッグから餌やペットボトルや器を出してそそくさとママのごはんの準備を始めた。

「サクラちゃんのごはんは持ってきたけど、この子の分はさすがにないのよね…。」

と言って、タッパーを開けてスプーンで中身を餌の器に移すと、ベンチの上にゆっくりと置いた。

ママは

「ありがとうございます。大丈夫です。いただきます。」

と言ってから

「坊やにはお肉はまだ固いからお汁を舐めてね。」

と勧めてくる。ごはんは鶏肉の煮物のようだった。

ママの母乳以外で、はじめて口にするごはん。何かを噛んで食べたことがなかったので、僕は煮こごりのような、ゼリー状の汁を食べてみることにした。舌でペロっと舐めてみる。塩気は全然無いのだが、鶏肉の出汁が効いていてこれはこれでうまい!

僕は夢中で煮こごりをペロペロ舐めながら食べた。ママはとなりで鶏肉をおいしそうに食べている。

女性は今度は器にペットボトルから水を注ぐと
「はい。お水。」
と言って、ごはんの器の隣にゆっくり置いた。
そして、デニムの裾をまくって足湯に浸かりながら僕たちをにっこりと微笑みながら眺めていた。

 

先ほどまでは気が付かなかったが、遠目に見てみると、時折見せるその笑顔。特に、極端に下がる目尻や眉間のシワやえくぼに見覚えがあった。
「この人…。どこかで会った気がする。
誰だっけな…。」

そう思いつつも鶏の煮こごりを食べていると、突然思い出した!

「もしかして…。綾さん?」

綾さんは僕が中学1年の夏休みに一人で緑雲荘に遊びに来たときに出会った、泊まり込みのバイトをしていた学生さんだ。
確か家が酪農家で、綾さんは獣医を目指して勉強していた。
「大学はものすごくお金がかかるから。」と自分で学費を負担するために夏休みや冬休みはバイトをしてお金を貯めるのだと言っていた気がする。一人っ子だった僕は、たった3日間だけれども、綾さんをまるで姉のように慕っていた。翌年の春にじいちゃんが体調を崩して入院し、緑雲荘の営業を休止したためにそれ以降、綾さんに会うことは無かった。

「綾さん?綾さんだよね!」

と言ってみるが、綾さんには「ニャン?ニャンニャン!」としか聞こえていないのだろう。

「おかわり欲しいの?ごめんね。明日持ってくるから。今日はこれで我慢してね。」

と言って僕の頭を撫でた。


綾さんは当時大学2年生で、ショートカットだったのだが、今ではロングヘア―で大人の女性。という感じだ。大学は6年制と言っていたので、今は大学6年生かな。

年齢で言うと、確か僕の7個上だから、今は23歳か24歳だろうか。

僕はママより先にごはんを食べ終わると、綾さんの方に歩いていった。
「サクラちゃんの赤ちゃん。人懐っこいのね。」
と言って膝の上に載せて頭を撫でてくれる。 

そこでやっぱり綾さんだ!という確証を得た。

それは彼女の右手に大きな傷跡があったからだ。

 

4年前の夏休み、僕は大食堂で片づけをしている彼女の右手にある大きな傷跡を見て

「その傷、どうしたの?」

と聞いたとき

「これね…。」

と言って右手をさすりながら、彼女はその傷が出来た経緯を語ってくれた。

 

彼女は家の手伝いで子供の頃から牛の世話をしていた。あるとき、子牛が生まれ、その牛にヤマトという名前をつけて、人一倍、というか牛一倍可愛がっていたそうだ。
ある日、授業中に気分が悪くなって早退をすることになった綾さんは、ヤマトに会いたくて牛舎に行ってみるが、ヤマトが牛舎にも放牧場にもいない。探していると、ヤマトが無理やりトラックに乗せられているところを発見する。

綾さんは

「やめて!ヤマトを連れて行かないで!」

と言って抵抗するが、無情にもトラックが動き出す。

お父さんとお母さんが制止するが、それを振り切り、走るトラックの荷台に掴みかかるも、何メートルか引きずられてから振り落とされ、トラックは行ってしまった。

その時に顔や膝を擦り剥き、右手を切って十数針ほど縫ったらしい。
 

病院から帰った後、雄牛の運命について色々と親から聞かされたのだが、綾さんに内緒でヤマトを業者に引き渡した事に納得がいかず、何日も親と口を聞かなかった。右手の傷を見るたびに、その時のことを思い出す。そういう話だった。 

それから、動物たちの生命について疑問や興味を持ち、獣医を目指している。ということもその時に聞いた。
当時中学1年生で
「創太くんは将来何になりたいの?」
と聞かれ、
何も答えられなかった自分にとっては結構衝撃的な話だったのを覚えている。

 

こうして、僕は綾さんと突然の再開を果たした。
ママが食事を終えると、綾さんは手際よく食器を片付けた。

「明日はこの子にも離乳食持ってこなきゃね。じゃあサクラちゃん、赤ちゃん。また明日ね!」

と言って綾さんは車に戻り、駐車場からゆっくりと車を出して帰って行った。



次話⇒<第13話



※本作品は小説投稿サイト「小説家になろう」に同時投稿しています。
http://ncode.syosetu.com/n2762de/ 

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